翔と
「今日は……?」「知り合いの子のとこに行く予定」
「うぅ……」
大の男に涙目になられても、全然可愛くない。むしろ鬱陶しい。
どこが爽やかイケメンだ。世の評価はどうなっている。
「せめてお前がもう少し若かったら……いや、ないな」
「ないの!? 俺の少年時代もアウトなの!!?」
既にこの残念な性格を知ってしまっているせいか、どうにも触手が伸びない。
幼い頃を思い出してもないと言い切れる。
うるさいのは昔からだし。
「純粋な子が好みなんだ」
「俺だって昔は……」
「ほう?」
「可愛げのない子供だったなぁー」
「家柄も相まって強く出れない大人を良い様に扱ってたもんな」
「ふっ、容姿で翻弄してたお前に言われたくないけどな! 今も全然変わってないけどな!」
一番翻弄されてるのは、今も昔もコイツじゃないだろうか。
あえて本人には言わないけど。
「……どうしてもっていうなら、お前も行くか?」
「えっ! いいの!?」
今まで机に突っ伏してた体を凄い勢いで起こして顔を輝かせる。
そんなに俺と遊びたいのか……?
「……ちなみに知り合いの子って」
「男の子だけど?」
「ですよねー」
俺の返答を聞くなり雅紀はまた机に突っ伏した。忙しい奴だ。
どうやら同行する気が一気に失せたようなので、俺は自分の荷物に手を伸ばす。
「じゃあな」
◆◆◆
「やーだー! 恥かしいってー!!!」
そう言って翔《かける》は四つん這いで俺から逃げようとするけど、俺からは逆に尻を突き出しているようにしか見えない。
ソファ代わりに座っていたベッドの上で、翔の唯一日焼けしていない白い双丘が俺を誘う。
翔とは街で声を掛けたのをきっかけに遊ぶようになった。
今時珍しく日焼けして頬に絆創膏まで貼ってるいかにもなスポーツ少年を、俺は無視出来なかった。
まさかされることはあってもすることはないと思ってたナンパを俺がする日が来ようとは。後悔はしていない。
部屋に呼ばれるのも、今日で何回目だったかな?
大体家に人がいないときに呼んでくれるので、俺も気兼ねなく翔の部屋を訪れた。
年が離れているせいもあって、俺との付き合いは色々と物珍しいんだろう。
緊張で頬を赤く染める翔をからかって遊ぶのはいつものことだ。
今日は調子に乗って服を脱がせてしまっているけれど……。
「可愛いね」
「……ぅぅ、兄ちゃん、絶対その台詞おかしいって……」
いつもはつり目がちな目尻が今は情けなく下がってしまっている。
そんな表情に頭を撫でてあげたくなるけど、いかんせん流石にこの距離だと届かない。
「そうかな? 俺には、翔くんの小さな肩も、綺麗に焼けた背中も、この下着の部分だけ焼けずに残った白いお尻も、全部可愛く見えるんだけど」
「うぅー……」
「あぁ、もちろんここも……ね?」
「わっ……!?」
ズボンごと下着をずらしたその隙間に手を差し込む。
小さい二つの玉が手の平に乗った。
「やっ……やっ……」
優しく手の上で転がすと、翔が背中を仰け反らせる。
「ここも美味しそう……」
「ひゃぅっ!!!」
目の前で揺れる白い果実が魅惑的で、思わず口を付けてしまった。
口の中に入った肌を舌でなぞると、軟らかい肌が弾んで舌を押し返す。
「んっ、んっ……」
「あっ……そ、そんなとこ、食べちゃやだぁっ!」
舐めたり吸ったりを繰り返している内に、手の上に乗ったものが硬くなっていくのが分かった。
「ふっ……ぅうっ……」
翔もすっかり真っ赤になって震えている。
あぁ、腕の中に包んで優しくあやしてあげたい。そう思う反面、もっといじめて泣かせたいとも思うのは何故だろう。
「ねぇ翔くん、翔くんのお尻に、俺の……挿れていい?」
「えっ……い、いれるって……?」
分かりやすいように蕾を指でなぞると、翔が目を白黒させた。
「えっ? えっ……?」
「大丈夫、痛くしないから……ね?」
「で、でも……っ」
「ゆっくり慣らしてあげる。まずは指からね」
俺は軟膏を多めに指にのせると、翔の入り口から中へと塗り込んだ。
括約筋をぐっと押し広げる。
抵抗はあるけど、指一本はすんなりと中へ収まった。
「あぅっ……あっ、はぁっ……!」
「辛くはない? 大丈夫?」
「……ふっ……ん、だい、じょうぶ……だけど……指、入ってるの? へんな……感じ……」
「うん、入ってるよ。きゅうきゅう締め付けられてる」
痛くならないよう、内側を傷つけないよう加減しながら、前へ伸ばした手も一緒に動かす。
挿入する動きに合わせて、翔の竿を扱いた。
「んっ……あっ、あっ……!!」
「ほら、気持ち良い?」
「やっ! にいちゃ、まって……まえ、さわらないでっ」
「どうして?」
「んんっ……! ……だって……腰、うごいちゃ、う……」
「あぁ、確かに安定はしないね」
扱く度に、突き出された翔の尻が目の前で揺れる。
指も一緒に持っていかれるけど、俺は気にせず指の角度を変えて、翔のポイントを探した。
思っていたほど深くない場所に、それはあった。
「あっ! あっ! そこ……っ……だめぇっ……!」
「そっか……じゃあもっと指を増やしてあげるね」
「あぅぅっ……!!!」
ぐちぐちと音を立てながら入口を広げる。
熱で馴染んだ軟膏が糸を引いた。
あんまり奥までやったら裂けちゃうかな。
指を増やし、前立腺を撫でる。
「はぁんっ……あっ、やっ、だ、なにっ、これぇ……」
「ふふ、すぐ気持ち良くなっちゃうなんて、翔くんはいやらしいね?」
「あっ、……はぁ、ふっ……んっ……あぁ! あっ、あっ、やぁっ、あぁんっ」
「翔くん、聞こえてる?」
前と後ろからの刺激に耐え切れなかったのか、翔は涙交じりの喘ぎを上げるばかりだ。
多分俺の声は彼の耳に届いていないだろう。
前もすっかりべたべたになってるし……。
「素質あるなぁ」
先走りの液がシーツに零れ落ちていく。
その光景を後ろから眺めながら俺は性器を握っていた手を放した。
一時的に去った刺激に、ビクビクと体を震わせながらも翔は息をつく。
「あんっ! あっ、あっ……っ……は、あぁっ」
「もうちょっと頑張れる?」
問いかけると涙を目いっぱいに溜めて、上気した翔が肩越しに俺を見る。
「……っ……にいちゃ……おれ、もう……いきた……あぁっ!」
なんとなく言い終わらせたくなくて、指を奥まで挿入した。
もちろん前立腺を刺激するのは忘れない。
「あっ! あっ、あっ……やぁっ……も、……あっ、あっ、あっ!」
最終的には自身を挿れたいのだけれど、とりあえず今は指で慣らすだけで自分は満足出来るだろうか?
「んー……でもなぁ」
熟れるにはまだ早い蕾が、パクパクと開閉しながら指を咥え込んでいる様子を見ると……。
「少しだけ……だから……」
「あっ……ふっ、あぁっ……!!!」
指を抜いて、自身の尖端を翔の蕾に合わせる。
収縮する襞が、その尖端を撫でた。
「んっ……そうだな……下の口で舐めてもらってると思えばいいか……」
流石に体を傷付けてしまうのは忍びない。
俺は亀頭部分だけを翔の中へ収めることに決めた。
問題はそこまで入り口が広がってくれるかどうかだけど…大丈夫かな?
「……っ……翔くん、入ったよ……」
「んあぁっ……だめっ……大きい、よぉっ……」
肉壁が収縮して必死に俺を追い出そうとするが、返ってそれが俺への愛撫になる。
「あぁ……尖端だけ、口で吸われてるみたい……」
「んんっ……ぁ……あっ……」
「ふふ、ちょっとだけ突いてあげようか?」
「あっ……やだっ、やっ……」
気付けばボロボロと翔は溜めていた涙を溢れさせていた。
そんな彼に微笑みながら、入りすぎないよう、自身を手で支え軽く前後に動かす。
勢いで外に出てしまっても、また中へ挿れ戻した。
出し入れの度にぐちぐちといやらしい水音が鳴る。
「どう? 後ろ犯されるの」
もうほとんど翔の体には触れてない。
それでも翔はひどく感じてるようだった。
「んあっ、んっ、やっ、あっ……やぁっ! にいちゃ……っ……あああぁぁぁ!!!」
ガクッと翔の体から力が抜けるのが分かる。
これは少し予想外だった。
まだ入り口付近しか責めてないのに。
「あれ? もうイっちゃったの……? 翔くんは、後ろ犯されても気持ち良いんだ」
「……はっ、ぁ……ちが……」
「でも後ろだけでイったよね?」
「だって……兄ちゃん、が……」
「うん、俺に犯されて気持ち良かったんだね」
体を動かして、今度こそよしよしと翔の赤みがかった明るい髪を撫でる。
「俺もイきたいんだけど、いい?」
「ん……どうしたら、いいの?」
「そうだな……こっちはおいおい慣らすとして……今度は上の口で舐めてもらおうかな? 最初は舌で舐めて、慣れてきたら口で咥えてくれる?」
「うん……」
手順を説明すると、俺は翔を仰向けに寝かせて、その上に跨った。
これはしばらく調教のしがいがありそうかな。