character story

 闇の中にぽっかり浮かぶ明かりを目指すように、

 ひっ掻き、
 ひき千切り、
 へし折って、逃げた。

 辿り着いた場所は、楽園とはほど遠い薄汚れた世界だったけれど、
 あの地獄に比べればまだマシだろう。

 手に入れた生徒手帳を持って、
 用立ててくれた親切な人の顔を文字通り踏み潰して、

 オレはどこまで逃げのびられるだろう?

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